帰ってきたときに目に入る風景
ふだん、間取りを考えるときには、クライアントさんから聞いた要望を整理して、優先順位を決めて、ウンウンと頭をひねらせます。自分の家を設計するわけではないので、「自分だったらこれがいいな」という感情はなるべく横に置いておくことも意識しています。ですが、要望には入っていないけど、毎回必ず意識するポイントがあります。
それは家に帰ってきて、LDKに入るドアを開けた時に見える「風景」です
ドアを開けたとき、まず視線の先に何が見えるか?それが、家に帰ってきたときの「ホッとする気持ち」を作ってくれると思うのです。
くつろぎのリビングスペース
例えば、テレビボード周りにアクセントクロスやエコカラットなどを貼って、リビングのインテリアデザインのフォーカルポイントにした場合。
リビングのドアを開けた時に、そこがまず目に入ってくるような流れを考えます。
お気に入りに家具やインテリアが目に入ってくると、仕事も疲れも多少は軽減されるかもしれません。
キッチンで誰かが迎えてくれる
もし、専業主フがお家にいて、マメに料理をするような家庭の場合、家族が帰ってきたときには、キッチンで食事の支度をしていることが多いかもしれません。
そんなお家だとしたら、ドアを開けた時に顔が見えて、「おかえり~」と言ってもらえる環境もいいかもしれません。
外へ視線が抜ける
もし、庭があったり、借景がのぞめる場合は、ドアを開けたら外の木々が見えるという魅せ方もおすすめです。
わが家はこのパターンです。玄関からLDKに入ると、南の窓から外の緑を見ることができます。この視線の抜けが、とても気に入っています。
日本の住宅事情では、庭をとることが難しかったり、窓をつけてもお隣の外壁を眺めることになってしまったり、この“抜け”を取るのは難しいことが多いです。
間取りを決めるときは、その敷地に立って、どこか緑や空を眺められるような視線の抜けが取れるところはないかな、と考えてみてくださいね。