注文住宅のヒント

イニシャルコストとランニングコストから考えるのは正義なのか問題

wadasayako

イニシャルコストとランニングコスト

家の仕様と決めるとき、イニシャルコストとランニングコストを比較して説明することが多いです。

例えば、外壁のグレードを決めるとして・・・

外壁Aは イニシャルコストが100万円だけど、15年ごとにメンテナンスが必要。外壁Bは イニシャルコストが150万円だけど、30年ごとのメンテナンスでよい。メンテナンス費を100万円とすると・・・

外壁A 100万円+100万円(15年後)+100万円(30年後)=300万円
外壁B 150万円+100万円(30年後)=250万円

最初に50万円多く払ったけれども、30年後にはお得になっていることがわかります。ほかにも、断熱性能を上げることで光熱費を下げる効果があったり、太陽光発電を導入することで光熱費ゼロの家を目指すこともできます。

和田
和田

でも、コスパだけで全て決めていいのかな

「コスパがいい」というのは、あくまでお金の収支がお得になるという発想です。お金は大事なので、それ自体は間違いだとは思いませんが、コスパばかりに気を取られて、ほかの大切なことを見逃していないか?は考えておきたいですね。

わが家にエネファームを採用する理由

たとえば、自宅の建築にはエネファームを導入します。

エネファームはイニシャルコストが高い設備です。ですが、以前から自宅には設置したいと思っていました。それは「お得になるから」ではなく、エネルギー利用率が高いところがポイントでした。

例えば火力発電所で作られた電気は、各家庭に送られてくる間にロスがあり、実際に利用できるのは40%程度と言われています。

それに対して、エネファームは使う場所のすぐ横で発電するので、エネルギー利用率は87%!つまり、環境負荷を低減するのに役立つと思うのです。サスティナブルな家を建てたい私にとって、ここは大切なポイント。光熱費が下がることで、イニシャルコストが回収できるかどうかは二の次なのです。

コスパ以上に大切な軸があっていい

設備だけとは限りません。フローリングを決めるとき、耐久性に差がないのなら・・・と好みの色のフローリングを諦めてしまう方がいますが。本当に?コスパだけで決めていいの?

大切なのは「そこで毎日気持ちよく暮らせること」

自分にとって、家族にとって、譲れない価値観はなんだろう?と話し合ってみてくださいね。コスパだけで諦めさせた、諦めさせられた、意外と後々まで引きずることがありますよ。

コスパ重視社会への、ちょっとしたアンチテーゼでした。

ABOUT ME
和田さや子
和田さや子
一級建築士|ライフオーガナイザー|建築カラープランナー
建築士として住宅設計を続けて20年。 記憶を積み重ねてゆく暮らしを大切に。
記事URLをコピーしました